棋士・女流棋士がふりかえる100年

所司 和晴 七段 がふりかえる思い出の一局

所司和晴ー大山康晴


所司和晴

七段

第6回全日本プロトーナメント(1987年7月28日)
第29期王位戦予選(1987年11月16日)

棋士になって2年後ぐらい、1期でC級2組を抜けましたが、その後成績がぱっとしない時期に大山康晴十五世名人と2局対局する機会がありました。
私の世代では大山先生と当たった方はそれほど多くないので、2局も教われるのはうれしかったです。
1局目は素早い動きから81手で、あっという間の完敗でした。
大山先生の棋風とは違った速攻で、意表をつかれました。
心理的要素も含め、まさに盤に座っての強さを改めて感じました。
3か月あとの対局は間単に負けられない気持ちで挑み、苦しい戦いを粘りました。
そして183手の長手数で逆転勝ちすることができました。
本局の勝利が私にとって大きな運を呼ぶことになりました。
結局この対局が起点で17連勝することができ、思い出深い対局となりました。