棋士・女流棋士がふりかえる100年

渡辺 和史 七段 がふりかえる思い出の一局

長谷部浩平ー渡辺和史


渡辺和史

七段

第80期順位戦C級2組(2022年3月10日)
この一局に勝てばC級1組昇級・五段昇段という状況で迎えた本局。自力で迎える対局がかなり久々だったこともあり、それなりに緊張していたと記憶している。
内容はいま見返してみても両者力が入っているのを感じるねじり合いで、特に最終盤は二転三転していた。一分将棋になってからはプレッシャーからか普段はないような頭が真っ白になる感覚があり、自身の悪手に気付き負けを覚悟した瞬間もあった。
紆余曲折ありつつも最後勝ちを読み切った時は、平易な詰みにも関わらず何度も何度も確認してしまい一局の重みを肌で感じた対局だった。
私自身としては終盤の精度が低く反省点の多い将棋だったが、たくさんの方に印象に残る将棋として挙げて頂き嬉しかった。
これからも皆様に楽しんで頂けるような熱戦を残せるように日々精進していきたい。