棋士・女流棋士がふりかえる100年

門倉 啓太 六段 がふりかえる思い出の一局

門倉啓太ー佐藤紳哉


門倉啓太

六段

第75期順位戦C級2組(2017年3月2日)
勝てば昇級。順位戦では常に下を見る勝負を続けていた私にとって、それはまさに千載一遇のチャンスでした。相手の佐藤紳七段は私が小学生のときに通っていた教室の先生で、棋士になってからもお世話になっている心優しい先輩です。佐藤紳七段も他力ながら昇級の目が残っており、いつも以上に気迫十分。文字通りの大一番となりました。
 練りに練った作戦をぶつけ、じりじりとしたねじり合いに。途中は明らかに苦しい局面もありましたが、気合で押し通して何とか勝利することができました。
もしこのチャンスを逃していたら…そう考えると寒気がします。私の将棋人生において非常に大きな意味を持つ一局となりました。