棋士・女流棋士がふりかえる100年

遠山 雄亮 六段 がふりかえる思い出の一局

遠山雄亮ー森内俊之


遠山雄亮

六段

第15期銀河戦決勝トーナメント1回戦(2007年7月27日)

プロ入りから3年が経とうとしていた夏の日。
初めてタイトルホルダーとの対戦を迎えました。相手は永世名人を取得されたばかりの森内俊之名人(当時)。
銀河戦の決勝トーナメントという、新人にとって大きな舞台での対局でした。
相手の仕掛けにカウンターが決まり、なんと中盤では必勝態勢に。しかし何度も来たチャンスを生かせず逆転負け。
いま思い返せば、若さの勢いのみで突っ走り、最後に暴走した一局でした。
解説の森下卓九段に第一声で「遠山くん、必勝だったでしょう」と声をかけられたことをなぜか鮮明に覚えています。

「思い出の一局」の候補に浮かぶのは何故か敗局ばかりでした。
これは自分の中でまだ上を目指しているからだと思います。
残りの棋士人生で、生涯語れるような「思い出の一局」を作ることを目標にしていきます。