宮田敦史七段「初心者の頃の思い出」
宮田敦史
七段
私が将棋を始めたのは確か8歳の時だったと思う。それまでは野球が好きで、よく父とキャッチボールをしていたが、ある日足を怪我して、野球どころか学校にもしばらく行けない状態になってしまった。そこである日図書館に行き、将棋の本を見つけたのが将棋を好きになるきっかけだった。
当時(今でも)の私は何でも興味を持ってやりたがるタイプだったが、その中で将棋だけは明らかに一番面白く、本をあれこれ読んだり、父と毎日のように対局したり、町内のアマ有段者や奨励会員に教わったり、あちこちの将棋教室や道場、センターに通ったり色々な手段で将棋にアプローチしていた。その頃の対局相手に会いたいと言う気持ちもあるが(特に、AさんとBさん)、それよりも千葉県内で何度も場所を変えて行われた所司一門研究会の場所が一つでも残っていれば良いのにと思う(特に小学生の頃から16歳くらいまで行き続けた北習志野の道場。先日行ったら跡形もなく消えていた)。
また将棋の本に関しても、↓のようなエピソードがある。
今年春頃に初めて青森の大山将棋記念館に行った。初めて見る本や懐かしい本など色々な本があったが、その中で、小学館将棋入門シリーズ87、詰め将棋100問と言う本が目についた。自分が将棋を覚えた頃の一冊にそっくりな本だったのだ。とりあえず貸していただいた。
そして、その本の中に、入門百科シリーズの将棋の本一覧が出ており、その中に92、将棋つぎの一手と言う本があり、ピンときてアマゾンで調べたら、まさに自分が将棋を覚えた最初の本と一目で分かった。すぐに注文し、青森で借りた87は郵送でお返しし、こちらも同じのをアマゾンで買った。
92に関しては、読んでいるうちに次第に懐かしさが込み上げてきて、30年以上前の超初心者時代に戻った気分だった。
あの頃を思い出して、もう一度初心に帰って一から頑張ってみようと思う。