棋士・女流棋士がふりかえる100年

高浜愛子女流1級「師匠との思い出」

高浜愛子

女流1級

 私の師匠である山本真也先生は、私が関西に住んでいた時から沢山お世話になっております。師匠になっていただいた時は「干渉したり将棋の内容も何も言わないからね。」とクールな感じでとても緊張しました。

 私が研修会にいた頃、師匠は研修会幹事をされていた時期がありました。
 対局を終えた私と廊下で師匠にすれ違った時に、「飛車が9筋に行ったの絶対にあかんで。」と将棋の内容を一言言われました。見てくれてたんだと少し嬉しかったです。

 また他の対局で長手数指し続けて負けて終わった後、「あそこまで粘って指さなくていい。」と言われたのですが、後日の対局で粘り続けて逆転した事があり、対局が終わると、「諦めずにあの将棋勝ってほんまに凄いな。この前言った事撤回するわ。」と、私の事をいつも見ていてくれて認めてくれた事が励みになりました。
 
 他にも、女流棋士になる為に研究会を開いていただいたり個人レッスンや棋譜も沢山見ていただきアドバイスをいただいたりとても優しく面倒見が良い師匠です。
 女流3級に昇級した時、その時は幹事を辞められていたので電話で報告を致しました。
 もしもしも言わず突然「昇級したん?」と察して声高らかにとても喜んでくれました。
 お祝いにと連盟にいた棋士の方達も一緒に、お食事、カラオケに連れて行っていただきました。その時の師匠は大騒ぎで喜んでくれました。

 今は私が関東で師匠が関西なので、お会いする機会が減ってしまいました。昇級した時は当然ですが、他に何かお祝い事等がある時は今でも必ず電話をしています。
 師匠にとって弟子は私しか居ません。
 ですので将棋でもっともっと活躍して喜んでもらって恩返しになる様、これからも頑張り続けます。